床版橋の設計、橋台橋脚の設計





床版橋の設計、橋台橋脚の設計に求められるものとは

比較的小支間の橋に採用される場合が多い床版橋の種類とそのメリット

床版橋は、単純支間に換算して30m 以下で、版厚が薄くて、自重があまり大きくならないように計画します。床版橋は、相対する2辺が自由で、他の2辺が支持される版構造の橋梁です。 2方向とも鉄筋コンクリート構造の床版橋は、充実床版橋と中空床版橋に分類されます。

床版橋は、スラブ橋とも呼ばれ、比較的小支間の橋に採用される場合が多い形式です。
床版橋の長所としては、次のようなものがあげられます。単純な構造で施工性に優れていること、版厚が薄いことから桁高が制約されるような場所に適すること、スリムで軽快な感じを受けるため景観的に優れること、道路幅員の変化や平面曲線に対応しやすいこと、などが床版橋の長所になります。

床版橋を構造で分類すると、2方向とも鉄筋コンクリート構造のもの、 一方が鉄筋コンクリートで他方をプレストレストコンクリートとして一体的に施工された構造もの、 2方向ともプレストレストコンクリート構造のものに分けられます。 床版橋を支持条件により分類すると、単純床版橋、連続床版橋、ラーメン床版橋に区分されます。

2方向とも鉄筋コンクリート構造の床版橋は、充実床版橋と中空床版橋に分類されます。 中空床版橋は、ホロースラブ橋とも呼ばれ、孔あき床版橋と多重箱床版橋に分けられます。 方向ともプレストレストコンクリート構造の床版橋は、スラブ橋用プレストレストコンクリート橋桁を並列し、支間直角方向に所定のプレストレスを導入する形式です。

踏掛版の設置幅の計算式は歩道があるかどうかだけでも異なります

踏掛版は、橋台などの構造物と盛土部との接続部に生ずる段差を、やわらげる目的で設置されます。踏掛版の設置については、道路の性格や効果を十分検討した上で決定する必要があります。車道の踏掛版の設置個所、踏掛版の長さは、橋台型式、盛土裏込材料、地盤種類から、標準値が決められています。
踏掛版の設置幅は、車道幅と路肩幅を加えた幅になりますが、歩道のある場合、歩道のない場合で、計算式は異なります。

踏掛版は、次のような場合は設置されません。 耕作橋などの場合、2年以上舗装せずに供用する場合、舗装しない砂利道の場合などは、踏掛版は設置されません。 フーチング底面が岩盤の場合、基盤の圧密沈下が全く生じないと判断される場合、 残留沈下が大きく踏掛版の効果が発揮できないおそれがある場合などは、踏掛版の設置について別途検討しなければなりません。

踏掛版の設置幅は、車道幅と路肩幅を加えた幅になりますが、歩道のある場合、歩道のない場合で計算式は異なります。 将来的に踏掛版を設置する可能性がある場合は、橋台に受台を設置しておくとともに、 胸壁についても踏掛版が設置された状況について、検討しておく必要があります。

橋梁構造の事前協議は審査の円滑化を図るための協議として行われます

橋梁設計の標準的な協議フロー、審査項目と水理的課題については、ルート協議、構造に関する事前協議、 構造詳細打合せ、河川法申請などで協議されます。 橋梁設計のルート協議は、河川管理上の影響を考慮した最適なルートを決定するため行う協議です。 事業計画、橋梁架設の必要性、河川整備基本方針や河川改修計画との整合性について協議されます。

橋梁構造に関する事前協議は、概略設計図が完成した時点で行い、構造令に適合しているかなどを確認します。 本申請までの手戻りをなくし、審査の円滑化を図るための協議として行われます。 橋梁構造の協議事項は、本申請時期や工事着手時期の確認、改修事業の実施時期との整合、受託附帯工事との関係、桁下高は満足しているか、 計画高水位や堤防高などの計算はよいか、最深河床高・現況高水敷高の計算は妥当かなどについて協議されます。

河川を横過する橋梁計画については、次のような項目に関して、水理的な検討を行う必要があります。道路・鉄道の線形と架橋位置を検討すること、橋脚・橋台の位置を検討すること、護岸・護床工等の防護工を検討すること、仮締切工を考えるなどの検討を行います。
橋梁計画において、考慮しないといけない事項は、必須要件、推奨事項、配慮事項に区別されます。必須要件は、河川管理施設等構造令、工作物設置許可基準、通達などで規定される、必ず満足しなければならない要件です。推奨事項は、橋脚の設置による河川への影響を緩和するため、できれば満足することが望ましい事項です。配慮事項は、必須要件や推奨事項を満足した上で、河川環境、都市景観などを考慮し、さらに配慮すべき事項になります。

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